歯周病治療について

歯周病治療で大切な歯を守りましょう

歯周病の直接の原因は細菌で、感染症のひとつです。まずお口の中の歯垢(プラーク)に存在する歯周病菌が歯ぐき炎症を起こします。そのまま放っておくと歯を支える組織や顎の骨を溶かし、やがては歯が抜け落ちてしまうことにつながる怖い病気なのです。こちらのページでは、歯周病の治療と検査手順をご説明します。

歯周病の特徴

特徴1:歯周病は広く蔓延しています

特徴1:歯周病は広く蔓延しています

歯周病ときくと年配の方がかかるイメージがあるかもしれませんが、10代や20代の方でも歯周病の初期症状である歯周炎が見られます。日本人の青年の4人に3人が歯周病にかかっている、または歯周病予備軍だといわれているほど蔓延している国民病です。

特徴2:歯を失う原因の第1位です

特徴2:歯を失う原因の第1位です

歯を失う原因の第1位は、虫歯だと思われがちですが、実際は歯周病です。歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどないので、気づいたときにはかなり進行してしまっています。そのまま治療をしないで放置しておけば歯を支える顎の骨が溶け、歯を失うことにつながる怖い病気です。

特徴3:全身疾患との関連性があります

特徴3:全身疾患との関連性があります

お口の中で歯周病菌が増加すると、口腔内の傷口から血管に入ってしまう確率も高まります。細菌が血管に入ると血栓を起こしやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞などを誘発する原因となり得るのです。また、抵抗力が弱い高齢者など、唾液とともに誤って歯周病菌が気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)などを起こすことがあります。ほかにも糖尿病や早産・低体重児出産、骨粗しょう症、リウマチとの関連性も報告されています。

歯周病が身体におよぼす影響
心臓疾患・脳血管疾患 糖尿病 早産・低体重児出産
歯周病菌が血管に入ると血栓をつくりやすくなるので、血管が狭くなったり、ふさがったりして梗塞を起こしやすくなります。 歯周病と糖尿病には深い相互関係が見られ、歯周病が悪化すると糖尿病も悪化し、反対に、歯周病の改善により糖尿病も改善の傾向をみせるといわれています。 妊婦さんは女性ホルモンのバランスの変化などにより、歯周炎にかかりやすくなります。歯周病菌は早産や低体重児出産のリスクを高めるといわれています。

歯周病の治療について

一般的な歯周病治療法
応急処置 スケーリング・
ルートプレーニング
再評価検査

応急処置

検査の結果により投薬することがあります。必要に応じて腫れて歯肉を切開して膿を出す処置や咬み合わせの調整などを行います。

スケーリング・ルートプレーニング

普段の歯みがきでは落としきれない歯垢や歯石を落とし、仕上げに歯面をなめらかにみがき、歯垢の再付着を防ぎます。

再評価検査

応急処置やスケーリング・ルートプレーニングを行ったあと、歯肉の回復度合いを検査します。歯肉の改善が得られない場合は特殊な治療法を行います。

特殊な歯周病治療法
フラップ手術 歯周組織再生治療法

フラップ手術

麻酔後歯肉を切開し、歯根を露出し歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)の奥深くに付着している歯垢や歯石を取り除きます。同時に感染した組織を除去して歯肉を縫合します。

歯周組織再生治療法

歯周病菌により溶かされた歯周組織の再生を促す治療法です。GTR法、エムドゲイン、骨移植などさまざまな治療法があります。